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私の主張(『週刊新社会兵庫』から)
健康で文化的な生活は保障されているのか
 昨年の生活保護費の基準額の切り下げを機に、それと連動した多くの制度が改悪された。そして、この4月から消費税率が引き上げられ、さらに高校授業料無償化制度への所得制限導入、復興特別税での住民税増税、公的年金支給額減額、70歳から74歳の医療費の窓口負担増額、医療費の初診料・再診料の増額、厚生年金保険料増額等々、医療・年金・介護の分野での制度改悪が目白押し。市民の生活がより厳しいものになった。
 にもかかわらず、神戸市は、特定の誘致企業に対して多額の減税等の優遇措置を行おうとするその一方で、市民に対しては消費税率引き上げを理由の公共料金の値上げ、老人医療費一部負担金増額、母子家庭医療費助成対象者の削減、国民健康保険料の(算定方式変更による保険料の)不十分な軽減措置でますます厳しいものにしようとしている。
 食費も医療費も教育費も切り詰める日々、どこに健康で文化的な最低限度の生活が保障されていると言えるのだろうか。これら一連の改悪に歯止めをかけられなかった私たちの運動の弱さもあるが、だからと言ってめげていてはいられない。「鍛えるべきは我らが力」である。
子どもたちのこれ以上の犠牲は許されない
 一馬力では到底暮らしていけない時代。待機児童解消は全国の自治体の喫緊の課題だ。そんな中、一年前、横浜市が待機児童ゼロ宣言を出した。しかしその後、これがきっかけとなってさらに待機児童が増えたそうだ。まさに”いたちごっこ”だ。しかも、”数”の解消に奔る陰で”質”の問題も問われてくる。あの痛ましい事件を起こした「ネット託児」もその一つだと言える。
 ネットのベビーシッター仲介サイトを通じて行う「ネット託児」の存在を今回の事件ではじめて知った人も少なくはないだろう。安い保育料、高い利便性、「何が起きても保障はない」というリスクを承知で頼らざる負えない利用者の置かれた現実、行政のチェックの目が行き届かない中ではびこった「ネット託児」。その需要は確実に高まっている。
 今、事件の母親へのバッシングが続いている。しかし、母親一人を悪者にして済む問題ではないことは明らかだ。国も「ネット託児」の実態調査に遅ればせながら踏み切った。神戸市にも同様の実態調査を求めたい。また、事業者を自治体や利用者がチェックできるシステムつくりも必要だ。相談窓口も設置しなければならない。子どもたちのこれ以上の犠牲を許してはならない
ホームレス等の排除につながる条例は見直すべき
 『ひとりと一匹たち』というテレビ番組をご覧になったことがあるだろうか。場所は東京都多摩川河川敷。ここには、900人ほどのホームレスのおじさんたちが猫たちと静かに自由に暮らしている。しかし、洪水で流されたり深夜に襲われたり、命を落とした人が後を絶たない。また、橋上から飛び降りる人も少なくないという。番組のナレーターがホームレスのおじさんたちを「効率を追い求め、競争ばかりで息苦しくなってしまった私たちの社会の姿そのもの』と表していたことが印象に残る。そのおじさんたちが生活の糧にしているのが空き缶集めによる収入だ。今は相場が下がり、150円、2日間精一杯頑張って60埆犬瓩討3000円だ。それでも、回収という労働を通して懸命に生きている。
 ところが、この間、全国の自治体で『空き缶持ち去り禁止条例』とやらが制定され始めている。神戸市も例外ではない。空き缶の回収によって生活を維持している人たちにとってその手段が奪われてしまうことは直ちに命の危機を招いてしまう恐れがある。にもかかわらず、神戸市は、対象申入れをも根拠も目的も不明瞭なまま安易に一律に条例化に踏み切ろうとした。これは結果として、ホームレス等の生活困窮者の社会的排除に結びつく危険性があることは明らかだ。
 この10月に『空き缶持ち去り禁止条例』が施行されることになった神戸市だが、「生活困窮者の排除につながらないよう運用に配慮する」と付け足している。施行までに当事者や支援団体による神戸市への施行までに、申入れをぜひ行ってほしいと願う。やれることはまだある。
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 格差・貧困社会を象徴するこの二つの問題については、皆さんも様々なご意見をお持ちだろうが、共通して言えることは、これらの背景にはこの国の雇用施策や社会保障制度の不十分さがあるということだ。そうである以上、自治体は様々な方の裏に潜む”落とし穴”にも目を向けることを忘れてはならない。 
  
大阪・造幣局通り抜けのの桜  
13:08
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